tanakaimpre


CIPOLLINI RB1K 元の呼び名はRB1000

tanakaimpre

メインバイクに乗り始めてから4年が経ちます。
4年の間、実に2回の交通事故で現在は3台目のRB1Kに乗っています。

4年同じモデルに乗っていると自然とそのモデル特有のリズムが体に染み付いてきます。
それによってRB1Kがどのようなバイクなのか、自分の中でだいぶ整理がつきました。
それで乗りこなしているかというと、もちろん疑問です。
乗りこなすという定義が曖昧だからです。

4年同じモデルと書きましたが、RB1Kはこの間に外観的な仕様変更が4回行われています。
BB規格の変更、
シフトワイヤリングの変更、
チェーンプロテクターの追加、
電動系のバッテリーマウントの変更など

同じモデルでも毎年入荷の製品を見るとマイナーチェンジが施されています。
RB0.8K,BONDでも同様なマイナーチェンジは施されています。

大幅なモデルチェンジをしない点は、各モデルの持つコンセプトへの自信の表れである一方で、改善点には柔軟に対応し、常に最新モデルであり続けています。
4年前に発表された製品が電動系内装ドライブトレインにいち早く対応していたことなども重要なトレンドに柔軟な体制が伺えます。

以下はあくまで個人的な感想です。RB1Kが気になっている方の参考になれば幸いです。

tanakaimpre

発表当時としてインパクトの強いシルエットが印象的でした。
フロントフォーク後方に被るダウンチューブ。
流麗なラインのトップチューブ、ホイールに沿って湾曲するシートチューブ。
見る人の多くが「厳ついエアロロード」という感想だったと思います。

さらに東レのT1000カーボンを使用していることで硬いバイクであるという先入観で見られがちです。
稀代のスプリンター、マリオ・チポッリーニ氏の肝煎りモデルということもあり、スプリンター好みだから爆裂的なパワーで踏み倒すマシンでしょ?的なところもあると思います。
実際自分もそのように思っていました。

しかし東レT1000はトン数でいえば40トン相当、最上級に硬くは仕上がらないはずです。
ではなぜ試乗した多くの方が硬いと思うのか?

「このバイクは速く走れるはずだが、 自分は思うようにスピードが出せなかった、 だから、このバイクは自分にとって硬すぎるバイク?」
と多くの方が感じやすいと思います。

tanakaimpre

RB1Kはお世辞にも柔らかめのバイクではなく、正直硬目ではあると思います。
しかし、私が思うにバイクへの力の伝え方の問題であるように思います。
他メーカーのトップモデルにもこの傾向は多かれ少なかれ見られる傾向と思います。

一般的に走り易いバイクは、
「フレーム剛性がそこそこで、ペダリングのタイミングの幅も色々な方に合いやすいから乗りやすい」
となると思います。

つまりRB1Kはペダリングのタイミングを合わせる幅が少々狭いと言っていいと思います。 ペダリングのスイートスポットとでも表現したらいいのかもしれません。 一言で癖者でしょう。
されど癖の少ないバイクが果たして「良いバイク」と言えるのか?
アマチュアライダーも含めて誰もが走り易いと思うバイクも「いいバイク」とする解釈もあると思います。
また一方で良い道具を使うことで使用者のスキルアップに貢献するという考え方があり、CIPOLLINIバイクはどうやら後者のようです。

「仮に今はそうでなくても、貴方がバイクを上手に走らせる事が出来るようになった時、誰でも乗れるバイクで本当に楽しめる?私なら貴方を満足させられると思うよ。」
こんな癖者です。

tanakaimpre

4年も乗っていれば、だんだんバイクとタイミングが合ってくるものです。
完全にシンクロしているとは思えませんが、だいぶバイクが優しくしてくれるようになります。

そうなってきた時、ようやくRB1Kのポテンシャルも見えてくる感じです。
プロの爆発的なスプリントのパワーを想定している訳ですから大抵の入力に対して
フレームがよれている感じはせず、むしろホイールの方にしわ寄せが行く感じです。

技術が伴えば、あなたの理想のアタックが可能だと断言しても差し支えないと思います。

このように書くと前記の内容と矛盾しています。


最上級に硬くは無い。
でも大出力は受け止める。


一見矛盾しているようですが、フレームの剛性に関わらず、 どのフレームでもどのようなペダリングパワーでも受け止めるはずです。
ただ、受けた後の反応でそのフレームへの評価が分かれるだけなのです。

回りクドイ書き方をしましたが、 フレームは硬すぎることなく、大きな入力にもしっかり踏ん張る。絶妙な味付けが素晴らしい。


お世辞にも乗り心地は良いとはいえませんがこれには訳があるようです。
そして高速の安定感は抜群です。

速度が上がって状況がタイトに成る程バイクの反応は優しく変化するのは感じていましが、 先日富士スバルラインの長い下りで感じたことと言えば、 普段では長時間維持できない高速域での高い操縦安定性、 本来この速度域のバイクであり、バイクのポテンシャルの深さを改めて痛感しました。 乗り手がその気になればあらゆるリクエストに応えてくれそうです。


イタリア車のトップモデルはこの傾向は顕著ですが
その中でも少々特殊な感じがあります。

路面ギャップの突き上げを後方に飛ばして前進していく感じとでも表現すればいいのでしょうか?
振動吸収性をほどほどにしている理由はここにあるようです。クロモリフレームの頃から良くできた走るバイクのハンドル回りの設計についてこのような話を聞いたことがありましたが、これをあからさまに感じるバイクはRB1Kがはじめてです。 乗り心地程ほどと言っても車輪が跳ねる感じは無く、他社では造らない絶妙な高剛性カーボンフォークが可能な芸当でしょう。RB1Kのフォークを弾くと非常に高い音が出ます。他社のどのフォークよりも高い音です。

「世界最高のイタリアンバイク」をコンセプトとするCIPOLLINI社の情熱を確信するに充分な要素です。

F8やC60も素晴らしいイタリアンだが、彼女らとは異なる輝きを放つRB1K。
少々ジャジャ馬で気難しい所はあるけれど、行け行けで優しいしっかり者。

tanakaimpre


チポッリーニ氏の選手時代の逸話といえば、 レースの勝利と派手な伊達男というイメージが一般的ですが 使用機材へのリクエスト、こだわりが強い選手であったことも事実です。
デカールはサプライヤーのロゴを張っているが 中身は特別あつらえのオーダーフレームの使用も勝てる選手ならでは。
勝利にこだわるからこそ機材にもこだわるのは当然のことなのでしょう。


tanakaimpre

「2005年 リクイガス・ビアンキチーム所属時のMARIO CIPOLLINIのバイク。他の選手が乗るバイクと明らかにバック形状が違っており、フレームの素材や使用するパーツなどを特別にリクエストした機材となっているようだ。」


才能に驕らず、機材にこだわり、勝利への情熱を燃やしたプロフェッショナル。
CIPOLLINIバイクは彼が選手時代に機材へのこだわりで培った感覚と繊細なノウハウが注がれた逸品です。

他メーカーは代替わりで名を冠した本人が直接プロデュースする影が薄くなった昨今、MARIO CIPOLLINI氏本人が直接プロデュースしている点も改めて見逃してはならないことや、イタリア本国で生産、管理を一貫して行っていることがCIPOLLINI社最大の特徴です。

tanakaimpre



tanakaimpre

田中信也 ワイズロード志木店店長

かつては全日本選手権で実業団選手として活躍した実力派ライダー。 持論の『新機軸な製品が世に出たら、まずは自分で実際に試そう!』を実践し、数々のバイクやパーツを実際に所有、乗り継いだそのインプレッションは 理論的かつ実戦的。ライディングは勿論、バイクやパーツ、ウエアなど、様々なレベルのライダーに対しての的確なアドバイスで 多くのお客様、スタッフからの信頼が厚い。 愛車は、メインバイクにCIPOLLINI RB1K そしてRB800 BOND他多数。そして現在NK1Kを予約中!